魔女の一撃とも呼ばれる、ギックリ腰を経験した事がありますか?
人生で、一度も経験した事がない。オリンピックと同じで4年に1度なる。中には、何度も繰り返して癖になっている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
実際、飛び込みでギックリ腰の患者さんが、多く来院されます。かくして筆者は、幸運ながら一度もギックリ腰を経験した事がありません。
この仕事を始めて、何故ギックリ腰になってしまうのか?ギックリ腰のメカニズム、予防法について勉強をしてきました。生涯しなくていい経験と思い、日常生活はより気をつけて生活をしています。このギックリ腰は、たいていのものは防げるものだと思っています。
重たい物を持つ事だけが、ギックリ腰に繋がる訳ではありません。
これから、なぜ『ギックリ腰になってしまうのか?』『ギックリ腰にならない為に、日常生活で気をつける事』を記事にしていきます。腰に自信がない方、是非最後まで目を通してみて下さい。
目次
- ギックリ腰って何?
- ギックリ腰になる原因
- ギックリ腰になりやすいタイミング
- ギックリ腰になりやすい人
- 咳・くしゃみ
- 洗顔・歯磨き
- 家事
- 起き上がり
- 物を拾う
- 腰椎伸展位の維持
- 0〜100体操
- キャットエクササイズ
●まとめ
ギックリ腰の正体とは

〜ギックリ腰って何?〜
ギックリ腰=急性腰痛です。魔女の一撃と呼ばれる位、非常に打撃が大きく、急に動けなくなってしまう腰痛です。程度は、時間をかけてなんとか動けるものから、2時間かけてトイレに行くもの、全く自力では動けないもの、人によって様々です。痛みが引くまでは、大体1週間ほどかかります。中には、痛みが引かず足まで痺れる事も。ギックリ腰で、足まで痺れる椎間板ヘルニアになる事もあります。
ギックリ腰(ぎっくり腰)について詳しくはこちら👇
〜ギックリ腰になる原因〜
ぎっくり腰の原因として一般的に考えられるのが、
「筋肉疲労 」「骨格の歪み」「いきなりの過負荷」
「生活習慣や環境によるもの」「過度なストレスによる体重や体質の変化」
など原因は様々で、ぎっくり腰になる人の数だけ原因があると考えられます。
いずれにしても共通しているのは、
腰の筋肉や関節にも受忍限度というものがあり、それを逸脱した使い方をし続けたため起こっているトラブルである
また、ギックリ腰(急性腰痛)になりやすい条件があります。
それは、腰の『屈曲×軸圧』という方程式です。(腰を丸める姿勢・動作)実は、この方程式、日常生活にたくさん潜んでいます。
ギックリ腰とは、
「筋肉疲労 」「骨格の歪み」「いきなりの過負荷」
「生活習慣や環境によるもの」「過度なストレスによる体重や体質の変化」
+
腰の『屈曲✖️軸圧』
で起こるものと考えます。
重いものを持っていないのに、ギックリ腰になってしまった。ソファーから立ち上がった時だけなのに、ギックリ腰になってしまった経験はありませんか?積み重ねた疲労などに、ふとした動作が加わるだけでもギックリ腰になってしまうのです。
〜ギックリ腰になりやすいタイミング〜
●朝〜午前中
ギックリ腰に1番多い時間帯は、朝〜午前中にかけてです。
理由:
①体が温まっていなく、硬くなっている為。(筋肉・靭帯・腱・関節など)
車で例えると、エンジンがかかる前の状態に近い状態です。エンジンがかかりきる前に、何か操作をしようとすると、故障の原因に繋がりやすいものです。

②椎間板の内障を起こしやすい。
朝(寝起き)は、背骨に重力、縦からの軸圧がかかっていません。背骨の間にある椎間板の高さは、朝(寝起き)が1番高い状態です。又、椎間板の中心にある、髄核も1番大きい状態です。(ちなみに朝が、1番身長が高い。)その為、ふとした動作であっても、髄核が線維輪(髄核の周りにある膜)に切り込む威力があります。髄核が線維輪に切り込む事を、椎間板の内障と言います。
以下の絵は、椎間板ヘルニアです。ヘルニアとは、突出・脱出するという意味合いがあります。椎間板の中心ある髄核が後方(後側方)移動して、神経を圧迫している事が見えます。腰の椎間板ヘルニアは、腰痛・臀部~下肢に痺れを出します。
又、神経の圧迫がなくても、椎間板の髄核の後方(後側方)移動する事で周りにある組織、(髄核の周りにある膜の線維輪・靭帯)に圧迫が加わるだけでも、痛みを出します。ただのギックリ腰だと思ったら、のちのち椎間板ヘルニアであったという事があります。
非ヘルニア性の急性腰痛と椎間板ヘルニアとは、いわば五十歩・百歩といった関係性です。椎間板で起こっている事は、同じという事です。

●長時間の座位から立位

理由:
①動かない時間が長いと、体が硬くなる。(筋肉・靭帯・腱・関節など)
②椎間板の内障を起こしやすい。
朝以外でも、椎間板の内障を引き起こす原因はあります。それは、継続的な腰の『屈曲✖️軸圧』です。腰を丸め続ける事は、椎間板の中心にある髄核が繊維輪に切り込むまでいかなくとも、後方や後側方に追いやられてしまいます。
座位でゆっくりゆっくり、ギックリ腰の下ごしらえをしている訳です。座位が長いだけ、下ごしらえが整ってしまいます。その後、反動をつけて立ち上がってしまう事で、軸圧(縦方向の加速)がかかります。【髄核の後方移動+軸圧(縦方向の加速)がかかる=ギックリ腰(椎間板の内障)の完成】
〜ギックリ腰になりやすい人〜
●座位が多い人

●デスクワーカー

●体をよく動かす仕事の人

●主婦

●姿勢が悪い人

●ストレスを抱えている人

日常生活で、気をつける事はこれ!〜お手つきの原則〜
日常生活の中では、中腰になったり、腰を丸めて行う動作が非常に多くあります。
ここで紹介するのは、お手つきの原則です。
目的:
『屈曲×軸圧』の動作による、腰痛の発症や悪化を防ぐ。
屈曲がかかる事が避けられない場合でも、軸圧を逃がせば腰への負担は避けられる。膝に手をつく、台に肘や手をついて軸圧を分散(力のベクトル)させる。
片手、片肘だけでも効果はあります。今日から実践してみて下さい。
●咳・くしゃみ

●洗顔・歯磨き

●家事

●起き上がり








●物を拾う


デスクワーカー必見!【座り方】
座り方に気をつける事は何か?それは、腰椎と頸椎の伸展位(腰と首を反らせる)の維持です。意識をしなければ、たったの5分だけでも、腰椎と頸椎は屈曲(腰と首が丸まっていく)していきます。そもそも、人間の腰と首の骨は軽く前弯(前にカーブ)しています。その為、立位でもそうですが、座位でも背骨の生理的な腰と首の前弯を維持する事が大切です。この座り方は、腰だけではなく首にも特化した座り方です。特にデスクワーカーの方、実践してみて下さい。
0〜100体操


- まずは、力を抜いて座ります。
- これ以上、背中を丸められない!という所まで丸めます。
- これが、0%(ゼロ)の姿勢です。
- 次に、背筋を伸ばして座ります。
- これ以上、背中を反らせない!という所まで反らして下さい。
- これが、100%(ヒャク)の姿勢です。
- 回数は10回、交互にゆっくり動かします。

- 10回繰り返した後、100%から20%を引いた80%の姿勢になって下さい。
- この、80%の姿勢が、理想的な座り姿勢です。
- 座位が崩れてきたな、と思った時にもこの0~100体操を行って80%の姿勢を作って下さい。
※床や沈み込むソファーなどでは、この姿勢が保てないので必ず椅子に座って下さい。この姿勢を続けていくと、最初のうちは背中や腰などに痛みや違和感を覚える事があると思います。それは、今まで使っていなかった筋肉が使われる様になったからであり、体が慣れてくれば痛みや違和感がなくなりますので、途中で止めず習慣化して下さい。
セルフエクササイズ
当院では、実際に以下を処方します。
キャットエクササイズ
目的:
①背中の筋肉(起立筋)のリリース
②背骨の関節を一つずつ動かす
③関節を動かす事で、椎間板に栄養を送る。



- 四つん這いになります。
- 手は肩幅、足は腰幅に開きます。
- お腹を持ち上げて、お腹をのぞき込む様に腰を丸めます。
- 次に、お腹を落として腰を反らせます。
- 目線は、斜め上を見るイメージです。
- 10回=1セット 呼吸は止めずに5秒ずつかけて、ゆっくりと交互に動かします。
※動作は、痛くない所まででOKです。朝起きた時と、寝る前に1セット行って下さい。慣れてきたら、セット数を1~4に増やしていって下さい。
まとめ
●ギックリ腰になる原因は、日常生活にたくさん潜んでいる。意識をして日常生活を過ごす事が出来たら、たいていのギックリ腰は予防出来る。
●ギックリ腰とは、日々の蓄積で、体が限界値を超えて、SOSを出しているもの。一度、SOSが出たものを元に戻すのには時間がかかる。
●ギックリ腰とは、痛みが引いても『治った』訳ではない。根本的に体質改善をしない限り、再発を繰り返してしまう。
●当院では、痛みを取る・ギックリ腰になりにくい体質に改善・生活指導をしています。1人では、頑張れない時もあると思います。そんな時に、当院がお力になれます。
東海道線・小田急線・江ノ島電鉄線 藤沢駅南口より徒歩3分
TEL | 0466-53-8667 |
受付時間 | 10:00~20:00(平日) 10:00~16:00(土日祝) |
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