腰痛になった時冷やした方がいいのか、温めた方がいいのか、迷われる方も多いのではないでしょうか?
基本的には身体は温めた方が血流が良くなります。しかし、強い痛みがある時は「温めればよい」と一概にいう事はできません。
この記事では、腰痛に悩まされたときどちらを選択したほうが良いのかを自分で判断できるようになるように、考え方を解説していきます。
目次
・まとめ
慢性期は温める、急性期は冷やすがセオリー
基本的には怪我や病気でもないのに腰が痛むときは血行不良が起きています。老廃物が流れ出ずに発痛物質が溜まっている状態です。
・ゆっくりとお風呂に浸かる
・カイロや防寒グッズで患部を冷やさないようにする
・ストレッチやエクササイズに励む
など温めて血行を促し、痛みを緩和させていくのが身体にとっては望ましいです。
例外が急性期の腰痛、いわゆるぎっくり腰です。
ごくまれにですが温めると逆に痛みを強く感じる可能性があります。炎症が起きている状態の時です。
炎症とは?
傷ついた組織を修復するために白血球が集まっているときに起こります。
急性腰痛=炎症とは限りません。患部の状態を良く確かめることが大切です。炎症4徴候と呼ばれるものがあります。①腫脹②疼痛③発熱④発赤の4つです。
言葉は難しいですが、患部を自分で見てさわれば、自分で確かめられるものです。
①腫脹→腫れていて
②疼痛→痛みがあり
③発熱→熱を持っていて
④発赤→赤くなっている
ときは炎症が起きているといえます。炎症が起きている場合、温めると逆効果になりえます。
発症直後は冷やすことで我慢できないほどの痛みを緩和させることができます。
急性と慢性の定義とは?
一般的には急性腰痛と慢性腰痛の区別は
〇急性腰痛・・・4週間以内
〇慢性腰痛・・・3か月以上続く
となるそうです。
しかし日々、腰痛に悩む方と対峙している経験から言うと、4週間を境に急性→慢性に変わると明確な線引きは出来ないとも思います。
どんなにひどいぎっくり腰でも、適切にケアすれば早くて3日、遅くても一週間くらいで痛みのピークを越えて楽になっていくものです。
慢性⇒急性の線引きは痛みのピークを過ぎたかどうかで判断すべきでしょう。
長期間の冷やしすぎは逆効果
「急性期は冷やす」ときくと、真面目な人は4週間は冷やす続けなければならないかのように思ってしまいます。あまり厳密にやりすぎると、温かいお風呂にゆっくり浸かるつかることもできません。
セオリーはセオリーとして、実際には柔軟な対応が望ましいです。
痛みが引いてきている後まで、湿布や氷嚢などで冷やしこむのが効果的かというと、そうではないと思います。
痛みがピークアウトしたら方針転換して、「温める」に切り替えた方が回復が早まることがあります。
「冷やすor温める」どちらか1つが正解ではない
一時期、サウナブームといわれたことがありました。サウナで「整う」という言葉が使われました。
サウナ⇔水風呂を交互に行き来し、最後に外気浴をする方法があります。
温める⇔冷やすの極限を行き来するわけですね。
温かい時、血管は拡張し、冷たい時は収縮します。外からの刺激に反応して血流が上がり、自律神経のバランスが整う感覚が得られます。
どちらか一方が正解なのではなく、あえて両極端に行き来させることで、真ん中のちょうどよい所に収まるようにしていると言えるでしょう。
痛みの緩和も同じことが言えます。単一の刺激でなく、複数の刺激を感覚神経に入れることで、痛みを紛らわすことができます。
自分の体の内なる声に耳を傾ける
「温めるor冷やす問題」に限ったことではありません。体が痛い時は
●安静にする or 出来る範囲で動かす
●痛み止めを飲む or 飲まずに我慢する
●温シップ or 冷シップ
など、さまざまなことに迷われることと思います。
その都度、迷ってネットで調べて「これが正しい」と思うものをやってみるのもいいでしょう。しかし毎回それでは大変です。
自分の中に明確な判断基準を持っておくと心強いです。
体にいい刺激=心地よい
間違いなく言えることは、その刺激(熱い寒いだけでなく、揉んだり叩いたりも含め)を受けた時に、
・心地よいと感じたら、それは体にとって良い刺激
・不快だとなじるなら、悪い刺激
ということです。
味覚の事を考えれば分かります。自然界の中でサバイバルして、体に毒なものを排除するために「まずい」「苦い」という感覚が備わっています。
「痛い」「不快だ」という感覚も同じです。
「心地よい」環境に身を置けば、自ずと身体は自然治癒の方向に向かいます。
当たり前すぎるようですが、これだけ分かっていれば迷うことは減ります。
腰痛で、
◎温めることで痛みが緩和するなら温めればよい
◎冷やすことで痛みが緩和するなら冷やせばよい
しかしそれは腰痛の時期(急性期・炎症期⇒慢性期)によって変わるというのが結論です。
辛い時は不安が募り判断力が鈍ります。
このことだけ知っておけば、腰痛だけでなく、肩こり、膝の痛み、肩の痛みなど体の他の部位の痛みに悩まされている時も応用が利きます。
知識も大切ですが、自分の感覚はもっと大切です。
情報に左右されることなく自分の内なる声に耳を傾けましょう。
まとめ
●腰痛の時は基本的に「温める」
●急性期・炎症が起きている時は例外で「冷やす」
●情報に惑わされることなく、自分の感覚を信じる
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