結論から言うと、カイロの「ポキッ」という音は骨が戻る音ではありません。
音の正体は「キャビテーション」という物理現象で、
効果の本質は「関節の動き」と「脳への情報入力」にあります。
1. 「アジャスト」から「CMT」へ:用語の裏にある哲学の変化
かつてカイロプラクティックでは、ずれた骨を正しい位置に戻すことを「アジャストメント」と呼びました。しかし、現代医学の文脈では「CMT(Cervical Manipulation Techniqueなど)」という言葉が主流となっています。なぜなら、カイロの目的は単に「形のズレを直す」ことではないと分かってきたからです。
背骨にストンと瞬発的な力を加えることを「スラスト」、その際に鳴る音を「クラック音」と呼びますが、この現象を科学的にどう捉えるかが、プロの理論の分岐点となります。
2. サブラクセーション理論の変遷
骨のずれ(サブラクセーション)がなぜ体に悪いのか。その説明モデルは時代と共に進化してきました。
- イネイト説(1900年以前): 生命エネルギー「イネイト」の流れが滞るという神秘的な考え方。
- 神経根圧迫説(1900年〜1930年代): 「神経の根元(神経根)が骨で物理的に圧迫されている」という機械的なモデル。
- フィクセーション理論(1940年代〜現在): 「ズレ」ではなく**「動き(可動性)の阻害」**に着目する考え方。形が真っ直ぐでも、動くべき関節が動かないこと(固着)こそが問題であるという、現在の主流理論です。
【コラム:神経根圧迫説の否定】 現代の解剖学では、神経根が通る「椎間孔」の面積は、神経そのものの断面積の3〜5倍もの余裕があることが証明されています。物理的な圧迫のみで全ての病気を説明するのは、現在の知見では無理があると結論づけられています。
3. キャビテーション:ポキッという音の正体
関節を鳴らす正体は、骨がぶつかる音ではなく「キャビテーション」という流体工学上の現象です。
関節は「関節包」という膜に包まれ、「滑液」という液体で満たされています。スラストによって関節内の圧力が急激に下がると、滑液に溶け込んでいた二酸化炭素が気体(泡)になります。この泡が発生し、弾ける時の音がクラック音です。
「音がしたから骨が戻った」というのは間違いで、あくまで関節内で液体が一時的に気体になったサインに過ぎません。
4. プロプリオセプション(固有感覚)の重要性
カイロがなぜ効くのか。その鍵を握るのが「プロプリオセプション(自己受容覚)」です。プロプリオセクションとはいわば“体の現在地を知らせるGPS”。これは、目をつぶっていても自分の関節がどの角度にあるか分かる「脳のセンサー」のことです。
背骨は感覚の宝庫
背骨の関節には、肘や膝よりも遥かに密にプロプリオセプター(受容体)が存在します。
キャビテーションとの連動
キャビテーションが起きると、関節内の体積が一時的に増え、関節包が強くストレッチされます。これにより、膨大な量のプロプリオセプション情報が脊髄を通じて脳へと送られ、脳が体の状態を「リセット」するきっかけになります。
5. 「クラック曲線」が示す治療の持続性
一度関節を鳴らすと、しばらく鳴らなくなります(約20分〜1時間)。これは気体が液体に戻るまでの「不応期」です。
この間、関節内には気体があるため、通常よりもわずかな力で関節包がストレッチされやすい状態が続きます。つまり、治療後もしばらくの間、脳へ「正しい位置や動きの情報」が送られ続けるのです。これが、カイロプラクティック独自の治療効果を生むメカニズムの一つです。
6. Q&A:関節を鳴らし続けると太くなる?
講義の最後に、よくある質問に答えました。 「指を鳴らしすぎると関節が太くなる」というのは、過剰な刺激(1日に何度も、毎日など)を自分自身で与え続ければ、防御反応として関節症が起きるため、ある意味で正しいです。
しかし、カイロプラクティックの適切な治療頻度であれば、副作用よりも治療効果(作用)の方が遥かに上回ります。薬と同じで、「適切な量とタイミング」を守ることがプロの仕事なのです。
東海道線・小田急線・江ノ島電鉄線 藤沢駅南口より徒歩3分
| TEL | 0466-53-8667 |
| 受付時間 | 10:00~20:00(平日) 10:00~16:00(土日祝) |
| 定休日 | 毎週火曜日 |
| お問い合わせ | contact@fujisawaseitai.com |
| https://www.facebook.com/fujisawaseitai | |
| 口コミサイト | http://www.ekiten.jp/shop_6758763/ (神奈川県1位評価) |
どんな小さなことでもお気軽にご相談下さい。


