格闘技をされている方が、首から肩、腕にかけてのしびれを訴えて来院されました。
普段からかなり身体を鍛えている方で、一般の方と比べても首や肩まわりの筋肉が非常に発達しています。
ご本人も身体のケアには慣れていて、普段からストレッチなどを行っていました。
それでも今回の症状はなかなか変わらず、
「ストレッチだけではどうにもならない」
と感じて当院へ相談に来られました。
今回は、格闘技のように身体を強く鍛えている方に起きた、首・肩から腕にかけてのしびれの症例をご紹介します。
※しびれには神経や頚椎の病気などが関係することもあります。この記事は一症例の経過を紹介するもので、同じ症状の原因や施術効果を保証するものではありません。
来院時のお悩み
主な訴えは、首から肩、腕にかけて感じるしびれでした。
格闘技では、パンチや組み合いなどで首・肩まわりに大きな負荷がかかります。
さらに、この方の場合はトレーニングによって首、肩、胸まわりの筋肉が非常に発達していました。
ただし、
「筋肉が硬いから、しびれている」
と最初から決めつけることはできません。
腕のしびれには、頚椎や神経、筋肉、姿勢や動作などさまざまな要素が関係する可能性があるからです。
そのため当院では、いきなり硬いところをほぐすのではなく、まず身体の状態を確認しました。
首だけでなく、肩や胸まわりまで確認

実際に身体を確認すると、首だけでなく、肩から胸まわりにかけても強い筋肉の緊張がみられました。
特に首の側面にある斜角筋周辺は、格闘技の構えやトレーニングなどでも負担がかかりやすい場所です。
この周辺には腕につながる神経や血管も通っています。
ただし、斜角筋が硬いからといって、それだけで今回のしびれの原因と断定することはできません。
そこで、
- 首を動かしたときの症状
- 肩や腕を動かしたときの変化
- 首・肩・胸まわりの筋肉の緊張
- 左右の動きの違い
- 施術中に症状がどう変化するか
などを確認しながら施術を進めました。
「鍛えている身体」だから強く押せばいいわけではない

身体を触ったときに印象的だったのが、筋肉の発達です。
格闘技を続けているだけあり、首や肩まわりにはかなり厚みがあります。
しかし、
筋肉が大きい人=強く施術すればいい
ということではありません。
刺激を強くすれば、その分だけ身体が良くなるわけでもありません。
必要以上に強い刺激を加えるのではなく、身体の反応を確認しながら、首・肩・胸まわりの緊張が強い部分を中心に施術していきました。
ストレッチだけで変わらないときに考えたいこと
ご本人は普段からストレッチを行っていました。
それでも今回の症状は残っていました。
ここで大切なのは、
「ストレッチが効かない=ストレッチが悪い」
ということではありません。
ストレッチは身体のコンディショニングに役立つ方法のひとつです。
一方で、症状によっては自分で伸ばすだけでは変化しにくい場合もあります。
また、しびれがある状態で無理に首や腕を伸ばし続けることが、必ずしも適切とは限りません。
セルフケアを続けても症状が変わらない場合は、一度身体の状態を確認してもらうことも選択肢になります。
施術後の変化
施術を進めながら、首や肩の動きと、しびれの感じ方をその都度確認しました。
私自身の感触としては、
「最初と比べて6割くらい変わったかな」
という印象でした。
ところが、ご本人に確認すると、
「8割くらい楽です」
とのこと。
施術者側の感触と、ご本人が感じる変化は必ずしも一致しません。
だからこそ当院では、「ここが硬いから原因です」と決めつけるのではなく、実際の動きや症状の変化をご本人と一緒に確認することを大切にしています。
もちろん、一度の施術で症状がすべて解決したという意味ではありません。
その後の競技やトレーニングで身体に負荷が加われば、状態が変化する可能性もあります。
競技を続けながら、どのように身体を管理していくかまで考える必要があります。
格闘技や筋力トレーニングをしている方へ
身体を鍛えること自体が悪いわけではありません。
むしろ、競技力を高めるためには必要なトレーニングです。
ただし、同じ動作を繰り返したり、高い負荷を長期間かけたりすると、特定の場所に負担が集中することがあります。
特に格闘技では、
首・肩・胸・肩甲骨・腕
が連動して動きます。
そのため、首に症状があるからといって首だけを見るのではなく、周囲の動きも含めて確認することが大切です。
当院では、必要に応じて整体だけでなく、ピラティスを利用した身体の使い方やコンディショニングについてもお伝えしています。
「休む」か「無理して続ける」かの二択ではなく、競技を続けるために身体をどう管理するかを一緒に考えていきます。
首や腕のしびれは、まず医療機関での確認が必要な場合もあります

首から腕にかけてのしびれは、筋肉の緊張だけで起こるものではありません。
頚椎椎間板ヘルニアなど、首の神経に関係する病気が隠れていることもあります。
特に、
- しびれが急速に強くなっている
- 腕や手に力が入りにくい
- 物を頻繁に落とすようになった
- 感覚が明らかに鈍くなっている
- 強い首の痛みを伴う
- 転倒や衝突などの外傷後から症状が出た
といった場合は、整体で様子を見るのではなく、まず整形外科などの医療機関へご相談ください。
検査を受けて大きな問題が見つからなかったものの、首や肩の動かしにくさ、筋肉の緊張などが残っている場合には、整体がお手伝いできることもあります。
まとめ
今回ご紹介したのは、格闘技をされている方にみられた首・肩から腕にかけてのしびれの症例です。
身体を確認すると、首だけではなく肩や胸まわりにも強い筋肉の緊張がみられました。
そこで、一つの筋肉を「原因」と決めつけるのではなく、首・肩・腕の動きや症状の変化を確認しながら施術を行いました。
普段から身体を鍛えている方ほど、
「自分でストレッチしていれば大丈夫」
「もっと強くほぐせばいい」
と考えてしまうことがあります。
しかし、セルフケアを続けても変化しない症状には、別の見方が必要なこともあります。
また、しびれは医療機関での検査を優先した方がいいケースもあります。
「トレーニングを続けたいけれど、このしびれが気になる」
「ストレッチをしても首や肩の違和感が残る」
そんな場合は、無理を続ける前に一度ご相談ください。
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