整体師の仕事をしてみたいけれど経験も資格もないので不安
リラクゼーションセラピストとして働いているけれど、整体師になるには資格をとらないといけないの?
とお悩みではありませんか?
この記事では、実際に整体院を経営している筆者が、整体師を志す方に、資格を取ったうえで就職活動をした方が良いかどうかについて書いていきます。
日々の採用活動の経験を活かし、求職者の皆様がご自身の目指されている職場を見つけるうえで有益と思われる情報を発信していきます。
結論から申し上げますと、整体師の求人活動をしていくうえで、資格は特に必要ないと考えます。
なぜ、そう言えるのか興味を持っていただいた方はこのまま読み進めてください。
目次
・まとめ
そもそもどんな資格があるの?国家資格or民間資格
整体師になるために、この資格を保有していていないと仕事をしてはならないと決められているものはありません。
施術を受ける人が、納得して通ってくれる技術があれば誰でも整体師になることが出来ます。(言葉で言うほど簡単なことではないですが)
国家資格
施術に関連する国家資格としては
①柔道整復師
②鍼灸師
③あんまマッサージ指圧師
があります。
柔道整復師の資格を持った方が、「国家資格を持った整体師」と名のることがあります。しかし、これは正確な表現ではありません。
柔道整復師とは「骨折・捻挫・打撲・脱臼・挫傷」という5つの外傷を治療するときに必要となる資格だからです。
これらの症状の特徴は、症状が起きる際に強い外力が加わっていることです。
整体ではもともと適応外の症状です。
民間資格
整体で扱う症状は「腰痛・肩こり」などの慢性痛。強い外力が加わって起きるものではなく、日常の生活習慣によって徐々に引き起こされる体の不調です。
症状が悪化すると、手足の痺れや頭痛、めまいや耳鳴りなど、生活に著しく支障をきたすような状態になることがあります。
症状がどれだけ重くても、こちらはいわゆるケガや病気ではないので病院の治療の対象になりにくい現実があります。
症状の訴えが主観的で、検査によって病変が見つかるものではないので、対処法も様々です。
民間でさまざまな団体が存在し各々資格を発行しているのが現状です。
①指圧
②カイロプラクティック
③オステオパシー
などの手技療法が昔から効果があるものとして定着しています。
諸外国では、これらの手技療法が国家資格として法制化されているところもあるそうです。
日本では「人体に害を与えることがないがぎり」自由に行ってよいものとして、民間にゆだねられているのが現実です。
このことに関しては、様々な意見があります。
「国家資格者でないものが、不調を抱えている人の身体を操作するのは良くない」というのはもっともです。
「民間にゆだねて自由に競争させた方が業界の発展にとってためになる」という考え方もあります。
法制化されていないからと言って日本の手技療法の価値やレベルが低いわけではないのは確かです。
整体師として活躍するうえで最も大切なこととは?
整体師になるうえで、国家資格は必須でないことを前に述べました。
しかしだからといって何のスキルもないままできる仕事では決してありません。むしろ資格などの後ろ盾がないがゆえに、結果に直結するのは腕だけというシビアな世界です。
例えていうなら、歌手やタレントのような人気商売のような側面もあります。料理人のような職人仕事の性質もあります。
歌を歌ったり、人と話をしたり、料理をしたり、誰でも日常で行っていることのスキルを極限まで高めることで、初めてプロと呼ばれるような仕事です。
辛い体の症状に悩んでいる方のお役にたちたいという熱い志と、施術技術へのあくなき探求心が欠かせません。
この記事を読んでいる時点で、すでに整体師という職業に興味を持ち、学びたいと考えている方だと思います。
あなたの気持ちが報われるためにも、まずは正しく整体業界の現状を知ることが大切です。
資格を持っているメリットとデメリット
志高く、現場で仕事をする前に学費を払って学校に通おうという気持ちは、ものすごく大切なことです。
しかし、気をつけなければならないこともあります。メリットとデメリットを公平な視点で天秤にかけることが大切です。
メリット
院に入る前に、一般的な技術と知識が身に付くことです。
料理に例えると分かりやすいかもしれません。いきなり特定の店舗で働いてそのお店のメニューの作り方をマスターするのは価値があることだと思います。
その前に料理の専門学校に通って、どこでも通用するような普遍的な調理技術や知識を身に着けておいた方が良いという考え方もあるでしょう。
学校で学んだことを現場で直接使わなかったとしても、後々役に立つことは間違いないと思います。
デメリット
ほかの仕事にくらべて、事前学習が効果的に現場で役立つとは限らないことです。
「整体は、国家資格でない」=「これと言って国から決められている整体施術法があるわけではない」
ということです。
施術方法が違えば背景にある考え方・理論も違います。
藤沢市にもふじさわ整体院以外にもたくさんの競合院がありますが、行っている施術は院ごとにまちまちです。
つまり、せっかく高い学費を払って貴重な時間を費やしても、身につけたスキルが現場ではほとんど生かせないという、悲しい現実が待っている可能性があります。
就職に際して面接時に見られていることとは?
今まで述べてきたように、整体院においては一律の基準があるわけでなく、院によって様々な施術法が試みられているのが現実です。
面接のときに、「○○整体学校卒業」「○○整体院で〇年勤務」などの経歴があるからと言って有利になるとが限りません。
施術者はだれしも自分の施術法に誇りと自信を持っているものです。そうであらねばならないと私も思います。
しかしせっかく培った経験が次の院でそのまま生かせるとは限らないのがこの業界の特徴です。
ですので面接のときに重視されるのは、過去の経歴ではありません。これらか未来にむけて整体師として何をしたいかが問われます。
何年かかってもいいから院のやり方・新しい施術法になじめるかどうかが一番大切です。
教えられたことを素直に吸収し、実践する心さえあれば、誰しも一人前になれるというのが私の実感です。
施術技術の高い院ほどいつも人手不足
ご来院者様から大切にされている院であれば、予約でいっぱいで人手がいくらあっても足りないというのが現状です。
未経験者だからという事で尻込みすることなく、ゼロから学ぶ気持ちで「ここで働きたい」という院に出会えたら、積極的に面接を受けてみてはいかがでしょうか?
「働きながら何を学べるのか?」「どのくらいかけて育成してもらえるのか?」をしっかりと確かめて納得したうえで働き始めるのが双方のためになります。
まとめ
●整体は国家資格はなく、いわゆる民間療法の一種
●整体院ごとに行っている施術法はさまざま
●資格を取ったからと言って、現場で早く活躍できるとも就職に有利とも限らない