「猫背を直したいけれど、何をすればいいのかわからない」
「姿勢を良くするには、背筋を伸ばせばいい?」
「腹筋を鍛えれば姿勢は良くなる?」
このように考えたことはありませんか?
姿勢改善というと、
- 胸を張る
- 背筋を伸ばす
- 背中をストレッチする
- 腹筋を鍛える
といった方法がよく紹介されています。
もちろん、どれも身体を動かすきっかけとして悪いことではありません。
ただ、私は整体師として多くの方の身体を見てきて、
「背中を緩めるだけでも、腹筋運動をするだけでも、姿勢を考えるには足りない」
と感じるようになりました。
その考えに至ったきっかけは、新人整体師だったころから抱えていた、ある疑問でした。
毎週整体に通っているのに、なぜ猫背のままなのだろう?
私が整体師として働き始めたころのことです。
当時から、肩こりや背中の張りに悩み、毎週のように整体へ通っている方をたくさん見てきました。
施術を受けると、
「背中が楽になった」
「肩が軽くなった」
「身体を起こしやすくなった」
と感じる。
ところが、次に来院されたときには、また背中が丸くなっている。
そんな方が少なくありませんでした。
新人時代の私は、これが不思議でした。
「これだけ定期的に背中を緩めているのに、どうして姿勢は戻ってしまうのだろう?」
私自身も施術では、背中や肩、腰などのトリガーポイントを確認しながら、緊張している筋肉を緩めていきます。
硬くなった筋肉が動きやすくなることは、姿勢を考えるうえでも大切です。
しかし、経験を重ねるにつれて、
背面を緩めるだけでは説明できないことがある
と考えるようになりました。
姿勢は「背中側」だけでつくっているわけではない

猫背を見ると、どうしても背中に目が行きます。
背中が丸い。
肩が前に出ている。
頭が前へ出ている。
そのため、
「背中が硬いから猫背なのでは?」
と考えたくなります。
もちろん、背中や胸、肩まわりの動きにくさが姿勢に関係することはあります。
しかし、身体を起こした状態で保つためには、背中側だけではなく、身体の前側にある体幹の筋肉も働く必要があります。
私はこれを患者さんには、わかりやすく「フロントコア」と説明することがあります。
前側で身体を支える力がうまく使えていなければ、いくら背中の緊張を緩めても、身体を起こした状態を維持しにくいことがあります。
ここに、新人時代の私が感じていた疑問を解く大きなヒントがありました。
「腹筋を鍛える」=シックスパックを鍛える、ではありません

ここまで読むと、
「なるほど。姿勢を良くするには腹筋が必要なんだ。腹筋運動をやろう」
と思うかもしれません。
ただし、ここは少し注意が必要です。
一般的に「腹筋」と聞くと、お腹の表面にあるシックスパックを思い浮かべる方が多いと思います。
これは主に腹直筋という筋肉です。
もちろん腹直筋も大切な筋肉ですが、姿勢を支える体幹は腹直筋だけでできているわけではありません。
お腹の深いところにある腹横筋や内腹斜筋なども、体幹を支える働きに関わっています。
さらに、背中側の筋肉や横隔膜、骨盤底筋なども含め、さまざまな筋肉が協調しながら身体を支えています。
つまり、
「姿勢を良くしたいから、シックスパックをつくる腹筋運動をたくさんやればいい」
という単純な話ではありません。
腹筋を割るためのトレーニングと、姿勢を保ちながら身体を動かすためのトレーニングは、目的が同じではないのです。
大切なのは「力を入れる」より「使えること」
姿勢を良くしようとすると、
「お腹に力を入れて!」
「胸を張って!」
「背筋を伸ばして!」
と頑張ってしまう方がいます。
しかし、一日中その状態を保とうとしたら疲れてしまいます。
姿勢は、身体をガチガチに固めて維持するものではありません。
呼吸をしながら、
身体を支え、
必要に応じて背骨や骨盤を動かし、
また安定させる。
こうした身体の使い方が必要になります。
ですから、私が姿勢を見るときには、
「筋肉が強いか弱いか」だけではなく、「必要なときにその筋肉を使えているか」
を見るようにしています。
私がピラティスに出会って、疑問の答えがつながった
私自身、小さいころから姿勢には悩んできました。
そして整体師になってからも、
「緊張した筋肉をしっかり緩めているのに、どうして姿勢が戻ってしまう人がいるのか」
という疑問を持ち続けていました。
その答えが自分の中ではっきりしてきたのが、ピラティスとの出会いでした。
ピラティスでは、単に腹筋を鍛えるわけではありません。
呼吸をしながら体幹を使い、背骨や骨盤をコントロールしながら身体を動かしていきます。
実際に自分自身でピラティスを経験して、
私は初めて、
「緩めること」と「使えるようにすること」は別なんだ
ということを実感しました。
整体によって動きにくくなっている身体を動かしやすくする。
そして、その身体を自分自身で支え、動かす練習をする。
この両方が必要なのではないか。
新人時代から感じていた疑問が、そこでようやく一本につながりました。
整体とピラティスは「コインの表と裏」

現在、私は整体とピラティスをまったく別のものとは考えていません。
私にとっては、
整体とピラティスは、コインの表と裏のような関係です。
整体では、トリガーポイントなどを確認しながら、過度に緊張して動きにくくなっている筋肉や関節へアプローチします。
一方、ピラティスでは、動きやすくなった身体を自分自身でコントロールする練習をします。
簡単にいえば、
整体は「動きやすい身体をつくる」
そして、
ピラティスは「その身体を自分で使う練習をする」
という関係です。
どちらか一方が優れているということではありません。
緊張が強くて身体を動かしにくい方に、いきなり運動だけをしてもらうのが難しい場合もあります。
反対に、身体を緩めてもらうことだけを繰り返して、自分で身体を使う機会がなければ、同じ身体の使い方へ戻ってしまう場合もあります。
だから私は、
「整体で整えて終わり」ではなく、その先に自分で身体を使える状態を目指す
ことを大切にしています。
「正しい姿勢」は胸を張り続けることではありません

もう一つ、姿勢についてお伝えしておきたいことがあります。
正しい姿勢というと、
背筋をピンと伸ばして、
胸を張って、
お腹にずっと力を入れている状態を想像するかもしれません。
しかし、人間は一日中同じ姿勢でいるわけではありません。
立つ。座る。歩く。振り返る。物を取る。仕事をする。
さまざまな動きを繰り返しています。
そのため、私は「一つの完璧な姿勢をずっと保つこと」よりも、必要に応じて姿勢を変えられることの方が大切だと考えています。
猫背になる時間があること自体が問題なのではありません。
長時間同じ姿勢しか取れない。
身体を起こそうとしても苦しい。
すぐに元へ戻ってしまう。
首や肩、腰などにも負担を感じる。
こうした場合には、身体の動きや使い方を見直す余地があります。
姿勢を良くしたい人が最初にやること
姿勢が気になるからといって、いきなり強い筋トレを始める必要はありません。
まずは、
自分の姿勢がどうなっているのかを知ること
から始めてみてください。
横から見たときに、
- 頭が大きく前に出ていないか
- 肩が必要以上に前へ巻き込んでいないか
- 腰を強く反らせて立っていないか
- 身体を起こすと苦しくないか
などを確認します。
そのうえで、
動きにくいところがあるのか。
うまく使えていないところがあるのか。
両方を見ることが大切です。
「背中が丸いから背中を伸ばす」
「腹筋が弱そうだから腹筋運動をする」
だけで決めないことです。
まとめ|姿勢は「緩める」と「使う」の両方から考える
私が整体師として新人だったころ、
毎週整体に通って背中を緩めてもらっているのに、なぜ猫背のままなのだろう?
という疑問を持ちました。
当時は、もっと背中を緩めればいいのではないかと思っていました。
しかし、身体を支えているのは背中だけではありません。
腹横筋や内腹斜筋などを含めた前側の体幹も、姿勢を支える働きに関係しています。
そして「腹筋を鍛える」といっても、シックスパックをつくるための腹筋運動を繰り返せばよいというわけでもありません。
動きにくいところを動きやすくすること。
そして、
その身体を自分自身で支え、使えるようにすること。
私がピラティスに出会って分かったのは、この二つの大切さでした。
だから現在の私は、
整体とピラティスはコインの表と裏
だと考えています。
姿勢を変えたいのに、
「ストレッチをしても戻る」
「整体を受けると楽になるけれど姿勢は変わらない」
「腹筋をしているけれど、これで合っているのかわからない」
という方は、一度「硬いところ」だけではなく、自分の身体をどう使っているかにも目を向けてみてください。
ふじさわ整体院では、身体の状態を確認したうえで整体を行い、必要に応じてピラティスなどの運動も取り入れながら、身体を自分で支え、動かせることを目指しています。
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