デスクワークをしていると、
「夕方になると首がガチガチになる」
「マッサージを受けても仕事をすると元に戻る」
「いつも同じ側の首ばかりこる」
ということはありませんか?
首がこっているのだから、首の筋肉を揉めばよい。
もちろん、それで楽になる方もいます。
しかし長年多くの方の身体をみていると、私は首がこっている場所だけを見るのでは足りないと感じています。
そこで当院で首の状態を確認するときに見ているポイントのひとつが、
「左右の耳の高さ」
です。
難しい検査ではありません。
鏡やスマートフォンがあれば、ご自身でも簡単に確認できます。
まず鏡で「耳の高さ」を見てみましょう

鏡の前に自然に立ってください。
無理に姿勢を正したり、顎を引いたりする必要はありません。
正面から自分の顔を見たあと、軽く上を向いてみてください。
左右の耳の高さは同じでしょうか?
右耳の方が高い。
左耳の方が低い。
顔自体が少し傾いて見える。
そんな左右差に気づく方もいると思います。
私が実際の施術で確認しているのは、厳密には耳そのものではありません。
耳の後ろにある「乳様突起(にゅうようとっき)」という骨の位置を一つの目安として見ています。
ただ、一般の方に「乳様突起を確認してください」と言っても分かりにくいですよね。
ですからこの記事では、分かりやすく「耳の高さ」と表現します。
耳の高さが違ったら「首の骨がズレている」の?
ここは誤解しないでください。
左右の耳の高さに差があるからといって、
「首の骨がズレている」
「病気である」
と判断できるわけではありません。
人間の身体にはもともと左右差があります。
右利き・左利きもありますし、マウスを使う手、スマートフォンを持つ手、脚を組む方向など、日常生活の動作も完全な左右対称ではありません。
私が耳の高さを見ているのは、
「この人は普段、頭をどちらへ傾けやすいのだろう?」
と考えるためです。
耳の高さだけで身体を判断するのではありません。
首を左右に回したときの動き、肩の高さ、肩甲骨、筋肉の緊張などと合わせて確認します。
なぜ頭が傾いていても普通に生活できるのでしょうか?

ここが首こりを考えるうえで、とても面白いところです。
例えば、頭を少し右へ傾けてみてください。
頭が傾いたからといって、目の前の世界まで大きく右へ傾いて見えるわけではありませんよね。
私たちの身体には、頭が動いても周囲を安定して見るための仕組みがあります。
耳の奥には、
三半規管
耳石器
という平衡感覚に関わる器官があります。
三半規管は頭の回転などを、耳石器は重力に対する頭の傾きや直線的な動きなどを感知します。
さらに目から入る視覚情報、首の筋肉や関節から入る感覚情報も使いながら、
「今、自分の頭がどちらを向いているのか」
を身体は絶えず調整しています。
つまり私たちは、耳だけ、目だけ、首だけでバランスを取っているわけではありません。
目・耳・首が協力しながら、頭と身体を安定させています。
首の筋肉は頭の位置を調整している

その調整に関わる筋肉のひとつが、
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
です。
耳の後ろあたりから、胸骨や鎖骨へ伸びている大きな筋肉です。
顔を横へ向けたり、頭を傾けたりするときに働きます。
デスクワークで頭がいつもわずかに同じ方向へ傾いていたとしても、人間は仕事をするために画面を見続けなければなりません。
そのため私は臨床では、
「頭部に左右差がある状態で視線や頭の位置を保とうとして、首まわりの筋肉に左右で違った負担がかかっているのではないか」
という視点でも身体を見ています。
胸鎖乳突筋だけですべてを調整しているわけではありません。
眼球運動や他の頸部筋、前庭系も含めた複雑な仕組みです。
しかし、
「右の首だけいつも張る」
「左には向けるのに右には向きづらい」
という方をみるとき、頭と首の左右差を無視しないことは大切だと私は考えています。
長年身体をみていて気になる「耳の高さ」
ここからは、研究論文の話ではなく、私自身が整体院で多くの方をみてきた中での臨床上の観察です。
首こりが強い方を確認していると、
- 左右の耳の高さに差がある
- 頭がわずかに傾いている
- 首を左右に回したときの可動域が違う
- 胸鎖乳突筋など首まわりの緊張に左右差がある
という状態をみることは珍しくありません。
また、めまいや耳鳴りを訴える方の身体を確認した際にも、乳様突起の位置関係や頸部の筋緊張に左右差を感じることがあります。
もちろん、
「耳の高さが違うから、めまいになる」
「乳様突起の高さをそろえれば耳鳴りが治る」
と単純に結論づけることはできません。
ただし、私はこうした所見を「関係ない」と最初から切り捨てることもしません。
実際に首の状態を確認して施術を行い、首の動きが変わっていく過程で、めまいや耳鳴りの感じ方まで変化したと話される方がいるからです。
これは私が施術現場で経験してきたことです。
だからこそ、
耳の症状だから耳だけを見る。
首こりだから首の痛いところだけを見る。
のではなく、頭・首・肩を含めて身体全体の状態を確認しています。
首と平衡感覚の関係は研究もされています
これは私個人だけの考え方というわけでもありません。
現在は、首から脳へ送られる位置感覚の情報が、視覚や前庭系からの情報と統合され、頭・目・首・身体の協調に関わっていることが研究されています。
また、首の機能とめまいが関連する「頸性めまい」という考え方についても研究が続けられています。
まだ「この検査をすれば頸性めまいと100%分かる」という状態ではありません。
だからこそ私は、
研究で完全に証明されるまで身体を見ない
のでも、
整体ですべて説明できる
のでもなく、
目の前の方の身体で何が起きているのかを丁寧に確認することが大切だと考えています。
デスクワークでは「良い姿勢」より同じ姿勢を続けない
首こりというと、
「姿勢を正さなければ」
と思う方が多いのですが、私は一日中きれいな姿勢で固まっている必要はないと思っています。
背筋を伸ばして胸を張り、顎を引いて、
「絶対に姿勢を崩さないぞ」
と頑張っていれば、それはそれで身体が疲れます。
デスクワークで大切なのは、
同じ負担を何時間もかけ続けないこと。
前へ寄ったら一度戻る。
肩に力が入ったら抜く。
ときどき首の向きを変える。
一度席を立つ。
身体は動くためにできています。
「正しい姿勢に固定する」のではなく、いろいろな姿勢を取れることの方が重要です。
セルフチェックで左右差があったら何をすればいい?
耳の高さに左右差を見つけても、
「自分で真っすぐに直さなければ」
と考える必要はありません。
頭を無理やり反対方向へ傾けたり、首を強く伸ばしたりするのもおすすめしません。
まずは、
自分はどちらへ傾きやすいのか
を知ってください。
そしてデスクワーク中に、
いつも同じ肘を机についていないか。
モニターが左右どちらかへ寄っていないか。
マウスが遠すぎないか。
いつも同じ方向を向いていないか。
を確認してみてください。
左右差を見つける目的は、
悪い場所を探して怖がることではなく、自分の身体の使い方に気づくこと
です。
当院では耳の高さだけで施術を決めません
ふじさわ整体院では、左右の耳の高さだけを見て、
「ここが歪んでいます」
と決めることはありません。
実際には、
首を左右に回す
首を倒す
肩を動かす
肩甲骨の動きを確認する
筋肉を触診する
動作によって症状がどう変化するかを見る
といった確認を行います。
特に首こりでは、
胸鎖乳突筋、後頭部、首の付け根、僧帽筋、肩甲挙筋、肩甲骨周辺
など、負担が集中している場所を確認します。
そのうえでトリガーポイントセラピーなどを用い、首だけにとらわれず身体をみていきます。
1回ですべてを変えようとは考えていません
以前のこの記事には、
「1回でも確実に変化する」
「3~5回で定着する」
という表現がありました。
現在はそのような考え方ではありません。
身体の状態も、仕事の内容も、それまで症状が続いていた期間も一人ひとり違います。
一度の施術で首が動かしやすくなったり、軽く感じたりする方もいます。
一方で、長期間続いている首こりを一度の施術ですべて解決できるとは考えていません。
実際、頸部由来のめまいを対象にした海外の徒手療法研究でも、一度の施術だけで結果を判断しているわけではなく、数週間の間に複数回施術し、その経過を評価している研究があります。
当院でも、
施術する
↓
身体の反応を見る
↓
もう一度動きを確認する
↓
必要なら次の施術を考える
という流れを大切にしています。
「何回で治ります」と最初から決めるのではなく、実際の変化を見ながら考えていきます。
首こりだから、首だけを見ない

デスクワークによる首こりは、とても身近な症状です。
だからこそ、
「姿勢が悪いですね」
「ストレートネックですね」
「肩を揉んでおきましょう」
だけで終わらせず、
なぜこの方はいつも右に傾くのか。
なぜ左右で首の動きが違うのか。
なぜ同じところばかりこるのか。
そこまで考えて身体を見ることが、私は大切だと思っています。
左右の耳の高さは、そのための小さな手がかりの一つです。
鏡があれば誰でも確認できます。
ぜひ一度、ご自身の顔と耳の高さをじっくり見てみてください。
今まで気づかなかった身体の癖が見えてくるかもしれません。
藤沢のふじさわ整体院では、首こりのある場所だけでなく、頭・首・肩・肩甲骨の動きや左右差を確認しながら、その方に合わせた施術を行っています。
デスクワークをするといつも同じ場所がつらくなる方は、お気軽にご相談ください。
※強い回転性のめまいが突然起きた場合や、聞こえの急な変化、手足の麻痺など、普段の首こりとは明らかに異なる症状がある場合には、原因を自己判断せず医療機関での確認が必要になることがあります
東海道線・小田急線・江ノ島電鉄線 藤沢駅南口より徒歩3分
| TEL | 0466-53-8667 |
| 受付時間 | 10:00~20:00(平日) 10:00~16:00(土日祝) |
| 定休日 | 毎週火曜日 |
| お問い合わせ | contact@fujisawaseitai.com |
| https://www.facebook.com/fujisawaseitai | |
| 口コミサイト | http://www.ekiten.jp/shop_6758763/ (神奈川県1位評価) |
どんな小さなことでもお気軽にご相談下さい。


