腰痛に悩んでいる方は多いのではないでしょうか?腰痛の原因の一つに、腰椎椎間板ヘルニアが挙げられます。しかし、腰痛は腰椎椎間板ヘルニアだけが原因ではありません。今回は、腰椎椎間板ヘルニアと腰痛症の違い、原因、症状、治療法などについて詳しく解説します。
腰椎椎間板ヘルニアと腰痛症、何が違うの?
「腰が痛い」という症状で病院を受診したとき、医師から「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰痛症」という言葉が出てきたことはありませんか?どちらも腰の痛みを伴う病気ですが、その原因や症状は異なります。今回は、腰椎椎間板ヘルニアと腰痛症の違いについて、わかりやすく解説していきます。
腰椎椎間板ヘルニアとは?
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションのような役割を果たす椎間板が、何らかの原因で飛び出してしまい、神経を圧迫することで起こる病気です。この神経の圧迫が、腰痛だけでなく、お尻や足にかけての痛みや痺れといった症状を引き起こします。
腰痛症とは?
腰痛症は原因がはっきり特定できない腰の痛みを指します。腰椎椎間板ヘルニアのように特定の病気による痛みではなく、様々な要因が複合的に絡み合って起こるケースが多いです。
腰椎椎間板ヘルニアと腰痛症の比較
項目 | 腰椎椎間板ヘルニア | 腰痛症 |
---|---|---|
原因 | 椎間板の飛び出し | 姿勢、運動不足、ストレスなど |
症状 | 腰痛、お尻や足の痛み、痺れ、力が入らないなど | 腰痛、こわばり |
診断 | MRIで診断 | 詳しい問診、身体診察、画像検査 |
治療 | 薬物療法、物理療法、ブロック注射、手術など | 薬物療法、物理療法、運動療法など |
椎間板ヘルニアについて
椎間板の構造と役割
椎間板は、背骨(椎骨)と椎骨の間にあるクッションのような役割を果たす軟骨組織です。ドーナツのような形をしており、中心部に水分を多く含んだ柔らかい髄核、そしてそれを包む強靭な繊維輪から構成されています。
椎間板は、これらの構造によって、脊柱の柔軟性を保ち、衝撃を吸収する働きをしています。加えて、身体を支える上で重要な役割を担っており、姿勢を維持する上でも欠かせない存在です。
1. 髄核 (ずいかく)は椎間板の中心部に位置し、ゼリー状の弾力性のある組織です。水分を多く含み、外部からの衝撃を吸収する役割を担います。
- 椎間板の中心部に位置するゼリー状の核で、水分を豊富に含んでいます。
- 細胞成分は少なく、コラーゲン線維が不規則に配列しています。
- 椎間板に加わる圧力に対してクッションのような働きをし、脊柱の柔軟性を維持します。
- 椎間板全体の約70~80%を占め、高い水分含量が特徴です。
2. 繊維輪 (せんいりん)は髄核を包む強靭な繊維層で、椎骨の間の隙間を埋めて、身体を支え、動きをスムーズにする役割を果たします。
- 髄核を包む強靭な繊維層で、同心円状に層をなして髄核を保護しています。
- コラーゲン線維が規則正しく配列しており、高い引張強度を持っています。
- 椎間板に外力が加わると、繊維輪が変形することで、髄核を保護し、脊柱の安定性を保ちます。
腰椎椎間板ヘルニアのメカニズム
腰椎椎間板ヘルニアは、加齢や外傷などによって、椎間板の繊維輪が破れ、髄核が飛び出して神経を圧迫することで起こります。一般的には、後方に向かって飛び出すことが多く、神経根を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こします。
- 椎間板内の水分が減少し、弾力性が低下することにより、椎間板が乾燥し、ひび割れやすくなります。
- 重い物を持ち上げたり、腰をねじったりするような動作が繰り返されると、椎間板に過度な負荷がかかり、繊維輪が破れることがあります。
- 飛び出した髄核が、神経根を直接圧迫したり、神経根の通り道を狭めたりすることで、神経症状を引き起こします。
原因
腰椎椎間板ヘルニアの原因として、以下のものが挙げられます。
- 加齢に伴う椎間板の変性が最も一般的な原因です。
- 重い物を持ち上げたり、腰をねじったりするなどの外傷が原因となることがあります。
- 同じ姿勢や動作を長時間繰り返すことで、椎間板に負担がかかり、ヘルニアを引き起こすことがあります。
- 猫背や反り腰など、悪い姿勢は椎間板に負担をかけ、ヘルニアのリスクを高めます。
- 一部の研究では、遺伝的な要因が関与している可能性が示唆されています。
腰椎椎間板ヘルニアの症状の程度別解説
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアの大きさ、神経根への圧迫の程度、個人差などによって大きく異なります。一般的に、軽度、中等度、重度の3段階に分けられます。
軽度
- 腰に鈍痛や違和感を感じる程度で、日常生活にはさほど支障がないことが多いです。
- 足にわずかな痺れを感じる場合がありますが、日常生活に大きな影響を与えることは少ないです。
中度
- お尻から足にかけて電気が走るような鋭い痛み(坐骨神経痛)が現れます。
- 痛みが強くなり、歩くのが困難になる場合があります。
- 足の痺れが強くなり、感覚が鈍くなることがあります。
- 足の筋肉に力が入りにくくなり、ふらつくことがあります。
重度
- 常時強い痛みがあり、日常生活が著しく制限されます。
- 非常にまれですが、馬尾神経が圧迫されることで、排尿・排便困難、性機能障害、下肢の完全麻痺などの重篤な症状が現れることがあります。
- 圧迫された神経根によって、特定の筋肉の麻痺や感覚異常が生じることがあります。
症状の進行
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、必ずしも進行するとは限りません。多くの場合、保存療法(薬物療法、物理療法、運動療法など)で症状が改善します。しかし、神経の圧迫が強い場合や、症状が長期にわたって続く場合は、手術が必要になることもあります。
症状の個人差
同じ程度のヘルニアでも、人によって症状の出方は大きく異なります。これは、個人の痛みに対する感受性、神経の走行、筋肉の状態など、様々な要因が複雑に絡み合っているためです。
いつ病院を受診すべきか
- 腰痛が数週間以上続く
- 痛みやしびれが徐々に悪化する
- 日常生活に支障が出る
- 足に力が入らない
- 排尿・排便に異常がある
このような症状がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
診断
腰椎椎間板ヘルニアの診断には、以下の検査が用いられます。
- MRI検査: 椎間板の飛び出しや、神経の圧迫状況を最も詳細に確認できる検査方法です。
- CT検査: 骨の構造や、椎間板の石灰化などを評価するために用いられます。
- X線検査: 椎骨の変形や骨の異常などを確認するために、X線検査が行われることがあります。
- 神経学的検査: 痛みやしびれの程度、筋肉の力、反射などを調べ、神経の障害の程度を評価します。
治療
腰椎椎間板ヘルニアの治療法は、症状の程度や患者さんの状態によって異なりますが、一般的には以下の治療法が選択されます。
- 保存療法:
- 薬物療法: 痛み止め、消炎鎮痛剤、筋肉弛緩剤などが用いられます。
- 物理療法: 温熱療法、電気療法、牽引療法などが行われます。
- 運動療法: 腰を支える筋肉を強化し、柔軟性を高める運動を行います。
- 手術療法:
- 保存療法で改善が見られない場合や、神経の圧迫が強く、麻痺などの症状が進行している場合に手術が検討されます。手術の種類としては、椎間板摘出術、椎弓切除術などがあります。
腰痛症
腰痛は現代人にとって非常に身近な症状であり、その原因は多岐にわたります。椎間板ヘルニアが注目されがちですが、実は、筋肉、関節、内臓など、様々な要因が腰痛を引き起こします。
腰痛の原因
腰痛の原因は大きく分けて、特異的腰痛と非特異的腰痛に分けられます。
- 特異的腰痛: 特定の疾患が原因で起こる腰痛で、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、脊椎分離症などが挙げられます。
- 非特異的腰痛: 特定の疾患が特定できない腰痛で、腰痛全体の約85%を占めると言われています。原因としては、筋肉の緊張、姿勢の悪さ、運動不足などが考えられます。
非特異的腰痛の原因
- 長時間の同じ姿勢や、重い物を持ち上げるなどの動作によって、腰の筋肉が緊張し、痛みを引き起こします。
- 関節リウマチや変形性腰椎症など、関節の炎症が原因となることがあります。
- 腎臓結石、膵炎、大動脈瘤など、内臓の疾患が原因で腰痛が起こることがあります。
- 脊椎が不安定な状態になると、関節への負担が増加し、腰痛を引き起こします。
- ストレスや不安が、筋肉の緊張を高め、腰痛を悪化させることがあります。
症状の特徴
腰痛の症状は、原因によって様々ですが、一般的には以下の症状が見られます。
- 痛、鋭痛、こわばり感など、痛み方は人によって異なります。
- 動作によって痛みが強くなることがあります。
- 安静時も痛むことがあります。
- 神経が圧迫されると、しびれや感覚異常が起こることがあります。
治療法
腰痛の治療法は、原因や症状によって異なります。
- 薬物療法: 痛み止め、筋肉弛緩剤、消炎鎮痛剤などが用いられます。
- 物理療法: 温熱療法、電気療法、牽引療法などが行われます。
- 運動療法: 腰を支える筋肉を強化し、柔軟性を高める運動を行います。
- ブロック注射: 神経ブロックなど、痛みを軽減するための注射を行います。
- 手術療法: 保存療法で改善が見られない場合や、神経の圧迫が強く、麻痺などの症状が進行している場合に手術が検討されます。
各原因別の症状と治療法
原因 | 症状の特徴 | 治療法 |
---|---|---|
筋肉の緊張 | 鈍痛、こわばり感、運動痛 | 温熱療法、マッサージ、ストレッチ |
関節の炎症 | 関節の腫脹、熱感、運動痛 | 薬物療法、物理療法 |
内臓の疾患 | 痛みとともに、発熱、吐き気、血尿などの症状を伴うことがある | 原因となる疾患の治療 |
脊椎の不安定性 | 運動によって痛みが悪化する | コルセット療法、運動療法 |
心理的要因 | ストレスや不安に伴う痛み | 心理療法、ストレスマネジメント |
診断
腰痛の原因を特定するためには、医師による丁寧な問診と身体診察、画像検査(X線、MRIなど)が必要になります。
腰椎椎間板ヘルニア、腰痛症の予防
腰椎椎間板ヘルニア、腰痛症を予防するためには、以下のことが大切です。
- 正しい姿勢: 猫背や反り腰など、悪い姿勢は椎間板に負担をかけます。
- 適度な運動: 腰を支える筋肉を強化し、柔軟性を高める運動を行いましょう。
- 重い物の持ち上げ方: 膝を曲げて持ち上げ、腰に負担をかけないようにしましょう。
腰椎椎間板ヘルニア、腰痛症の方への整体の効用
腰椎椎間板ヘルニアや腰椎症でお悩みの方にとって、整体は一つの選択肢として考えられます。これらの疾患は、痛みや痺れなど、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。整体は、これらの症状を緩和し、身体の機能回復を促すことを目指す施術の一つです。
整体がもたらす可能性のある効果
- 慢性的な腰痛は、周辺の筋肉を緊張させます。整体では、これらの筋肉を緩めることで、血行を改善し、痛みを軽減します。
- 椎骨の動きが悪くなると、腰への負担が増加します。整体では、関節の可動域を広げることで、腰の動きをスムーズにし、痛みを軽減します。
- 椎間板ヘルニアでは、神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じます。整体で骨盤や背骨の歪みを整えることで、神経への圧迫を軽減し、症状の改善が期待できます。
- 猫背や反り腰などの悪い姿勢は、腰への負担を増大させます。整体で姿勢を改善することで、腰痛の予防にも繋がります。
- 慢性的な痛みは、自律神経のバランスを崩しやすくなります。整体は、自律神経のバランスを整えることで、リラックス効果をもたらし、痛みの軽減に繋がります。
整体を受ける際の注意点
- 必ず医師に診断を受け、治療方針について相談しましょう。
- 経験豊富な施術者を選びましょう。
- 施術中に痛みを感じたら、我慢せずに施術者に伝えましょう。
東海道線・小田急線・江ノ島電鉄線 藤沢駅南口より徒歩3分
TEL | 0466-53-8667 |
受付時間 | 10:00~20:00(平日) 10:00~16:00(土日祝) |
定休日 | 毎週火曜日 |
お問い合わせ | contact@fujisawaseitai.com |
https://www.facebook.com/fujisawaseitai | |
口コミサイト | http://www.ekiten.jp/shop_6758763/ (神奈川県1位評価) |
どんな小さなことでもお気軽にご相談下さい。