小さいころから猫背で悩んでいる。姿勢矯正のベルトを買ってみたが、外すとすぐにまた悪い姿勢に戻ってしまう。
ヨガやピラティスなどを始めてみたら、自分が全然腹筋を使えていないことが分かってショックだった。
そんな経験はありませんか?
「姿勢を良くする=背筋を伸ばす」
というイメージを持っている方は多いと思います。
もちろん間違いではありませんが、それだけでは少し足りません。
姿勢を保つためには、背中側の筋肉だけでなく、腹筋を含めた体幹の筋肉が協力して働く必要があります。
ただし、
「腹筋が弱いから猫背になる」
「腹筋を鍛えれば必ず姿勢が良くなる」
というほど単純でもありません。
この記事では、腹筋と姿勢の関係について、背筋や腸腰筋の働きも含めて解説していきます。
そもそも良い姿勢とは?

姿勢を見るとき、一つの目安として横から
・くるぶし
・膝
・骨盤
・肩
・耳
などの位置関係を確認する方法があります。
以前は「これらが一直線にそろっていることが理想」と説明されることが多く、現在でも姿勢を見るときの一つの目安として使われています。
ただし、人の骨格や筋肉のつき方、年齢などには個人差があります。
そのため、全員がまったく同じ一直線の姿勢になることが「正解」というわけではありません。
大切なのは、見た目だけを無理に真っすぐにすることではなく、
・首や腰など一部分に負担が集中しすぎない
・無理なく立ったり座ったりできる
・呼吸がしやすい
・必要に応じて身体を動かせる
といったことも含めて考えることです。
そして姿勢を保つためには、骨格だけでなく筋肉の働きも必要になります。
直立二足歩行の宿命!?

「姿勢の悪い馬」という言葉は、あまり聞きませんよね。
もちろん四足動物にも、加齢や病気、けがなどによって身体の使い方や立ち方に変化が生じることはあります。
ただ、人間のように二本の脚の上に身体を立てて生活する場合とは、身体にかかる力や姿勢を保つ仕組みが大きく異なります。
人間は、日常的な移動を直立二足歩行で行う非常に特殊な動物です。
ゴリラやチンパンジーも二本足になることはありますが、普段の移動では手も使います。
鳥類も二本脚で立ちますが、骨格や身体の構造は人間とは大きく異なります。
普段は当たり前に立っていますが、人間は二本の脚の上に骨盤、背骨、頭を積み上げ、その状態で立ったり歩いたりしています。
二足歩行によって手を自由に使えるようになったことは、人類の進化において非常に大きな意味を持ちました。
その一方で、立った姿勢を保つためには、重力に対してさまざまな筋肉を働かせる必要があります。
デスクワークやスマートフォンを見る時間が長くなると、頭が前へ出たり背中が丸くなったりすることがあります。
だからこそ、姿勢を「形」だけではなく、身体を支える筋肉の働きから考えてみることが大切です。
腹筋と背筋で体幹を安定させている
立っているときには、重力に対して身体を支えるさまざまな筋肉が働いています。
一般に、こうした筋肉は「抗重力筋」と呼ばれます。
脚から体幹、首まで、多くの筋肉が協力しながら姿勢を保っています。
例えば、
〇下腿三頭筋・前脛骨筋など足首まわりの筋肉
〇ハムストリングス・大腿四頭筋など太ももの筋肉
◎大殿筋・腸腰筋など股関節まわりの筋肉
◎脊柱起立筋群・腹筋群など体幹の筋肉
〇首の前後にある筋肉
などです。
以前は、
「背筋⇔腹筋」
「大殿筋⇔腸腰筋」
というように、反対側にある筋肉同士の「筋力バランス」として説明されることが多くありました。
もちろん筋力も大切ですが、現在は単純に「どちらが強い・弱い」だけではなく、
必要な場面で、それぞれの筋肉が協調して働けること
が大切だと考えられています。
ですから、
「猫背だから腹筋だけ鍛えればいい」
「反り腰だから背筋を弱くすればいい」
という考え方では十分ではありません。
姿勢は、腹筋・背筋・股関節周囲の筋肉などが一緒に働くことで支えられています。
姿勢を支えるお腹のインナーマッスル

ここで、お腹の筋肉の仕組みを少し詳しく見ていきます。
腹筋は大きく分けると、
〇腹直筋
〇外腹斜筋
〇内腹斜筋
〇腹横筋
などで構成されています。
皆さんが「腹筋」と聞いて最初にイメージするのは、腹直筋ではないでしょうか。
いわゆるシックスパックとして見える筋肉です。
もちろん腹直筋も大切ですが、姿勢や体幹の安定を考えるうえでは、もっと深い位置にある腹横筋や腹斜筋などの働きも重要です。
腹斜筋は、身体をひねったり横へ倒したりする動作だけでなく、体幹を安定させる働きにも関わります。
腹横筋は腹部を横方向に取り囲むようについている筋肉で、呼吸や腹圧の調整にも関係しています。
よく「天然のコルセット」と表現されます。
ただし、腹横筋だけを鍛えれば姿勢が良くなるわけではありません。
大切なのは、腹筋を固め続けることではなく、
呼吸をしながら、必要なときに体幹の筋肉を使えること
です。
姿勢を変えていくためには、筋力だけでなく、身体の動かし方や呼吸、股関節や背骨の動きなども一緒に考える必要があります。
猫背には腹筋と背筋、どっちを鍛えればいい?

「猫背を改善するなら腹筋と背筋のどちらを鍛えればいいですか?」
と聞かれることがあります。
結論からいうと、
どちらか一方だけを鍛えればよいわけではありません。
猫背に見える姿勢でも、その原因は人によって違います。
例えば、
・背中が丸くなっている
・頭が前へ出ている
・骨盤が後ろへ傾いている
・股関節がうまく使えていない
・長時間同じ姿勢で座っている
など、さまざまな要素があります。
腹筋がうまく働いていない方もいれば、背筋の持久力が不足している方、胸まわりが硬くなっている方もいます。
そのため「猫背=腹筋」と決めつけず、身体全体を見ることが大切です。
年齢とともに意識したい「腸腰筋」

お腹の奥には、もう一つ大切な筋肉があります。
正確には腹筋群には含まれませんが、腰から脚の付け根につながっている「腸腰筋」です。
腸腰筋は、大腰筋・腸骨筋などをまとめた名称です。
主な働きの一つは股関節を曲げること。
つまり、歩くときに脚を前へ運ぶために重要な筋肉です。
四足歩行の動物でも、腸腰筋は股関節を曲げ、歩行するときに後ろ脚を前方へ振り出す働きをしています。
人間でもこの基本的な働きは同じです。
ただし、人間は二本脚で直立して生活しています。
そのため腸腰筋は、単に脚を前へ運ぶだけでなく、立っているときや歩いているときの骨盤・股関節・腰部の安定にも関わっています。
「四足動物では脚を前へ出す筋肉だったものが、人間では姿勢保持にも重要になった」
という説明は、腸腰筋の特徴をイメージするうえでは分かりやすいと思います。
ただ、四足動物でも腸腰筋には脚を前へ運ぶ以外の働きがありますので、「後ろ脚を前へ出すためだけの筋肉」とまでは言えません。
人間でも、
脚を持ち上げる働きと、身体を安定させる働きの両方に関係する筋肉
と考えると分かりやすいでしょう。
腸腰筋が弱いと姿勢が悪くなる?
ここも「腸腰筋が弱い=姿勢が悪くなる」と単純に考えない方がよいでしょう。
腸腰筋は股関節や腰部の動きに関係していますが、姿勢は腸腰筋だけで決まるものではありません。
お尻の筋肉、腹筋、背筋、股関節の動き、日常生活での身体の使い方などが複雑に関係しています。
特に年齢を重ねると、筋力だけでなく歩く量そのものが減ることもあります。
「最近、脚が上がりにくい」
「歩幅が狭くなった」
「姿勢を起こして歩くのが疲れる」
と感じる場合には、腸腰筋だけを鍛えるのではなく、下半身や体幹を含めて身体を動かしていくことが大切です。
腹筋を鍛えれば姿勢は良くなる?
ここまで読んでいただくと、
「結局、腹筋を鍛えれば姿勢は良くなるの?」
と思うかもしれません。
答えは、
腹筋を鍛えることは役立つ可能性がありますが、腹筋だけでは足りません。
です。
姿勢を変えるための運動には、筋力トレーニングだけでなく、ストレッチや身体を動かす練習などさまざまな方法があります。
実際の姿勢は、
・筋力
・筋持久力
・関節の動き
・呼吸
・身体の使い方
・仕事や生活習慣
などから影響を受けます。
「背筋を伸ばさなきゃ」
「お腹にずっと力を入れなきゃ」
と一日中意識し続けるより、
意識しなくても必要な筋肉が自然に働ける身体を目指す
という考え方の方が、私は現実的だと思っています。
姿勢を改善するために整体でできること
「整体に通えば姿勢は良くなりますか?」
という質問もよくあります。
整体だけですべての姿勢を変えられるわけではありません。
例えば、首・肩・背中・股関節などが硬くなっている場合、施術によって筋肉の緊張を和らげ、身体を動かしやすくすることはできます。
しかし、施術者が患者さんの筋肉を直接強くすることはできません。
たとえどんな「ゴッドハンド」でも、そこには限界があります。
本当に長年の身体の使い方を変えていこうと思ったら、自分自身で身体を動かすことも大切です。
以前の記事では「整体で骨格を元の位置に整える」と説明していましたが、人の姿勢には個人差があり、一つの正しい位置に骨格を戻せば解決するというものではありません。
当院では、
整体で動きにくくなっている部分にアプローチする
ことと、
運動によって自分自身で身体を支えられるようにする
ことを分けて考えています。
姿勢を変えるならピラティスという選択肢も

お腹のインナーマッスルを使おうとしても、
「力の入れ方が分からない」
「腹筋運動をすると首や腰ばかり疲れる」
という方は少なくありません。
そんな方には、ピラティスも一つの選択肢です。
ピラティスでは、ただ腹筋を鍛えるのではなく、
・呼吸
・背骨の動き
・骨盤の位置
・股関節の動き
・体幹と手足の連動
などを確認しながら身体を動かしていきます。
当院では整体院のほかに、藤沢ピラティススタジオも運営しています。

整体で身体を動かしやすくしたうえで、ピラティスで自分自身の身体を動かしていく。
姿勢を無理やり「正しい形」にはめ込むのではなく、
楽に立てる、楽に歩ける、必要なときに身体を支えられる
という状態を目指しています。
「姿勢を直そうとしても、すぐ元に戻ってしまう」
「腹筋を鍛えているのに姿勢が変わらない」
という方は、腹筋だけではなく身体全体の使い方に目を向けてみてください。
まとめ
●腹筋は姿勢を支える大切な筋肉の一つですが、腹筋だけで姿勢が決まるわけではありません
●腹直筋だけでなく、腹斜筋や腹横筋なども体幹の安定に関わっています
●猫背だから「腹筋」「背筋」のどちらか一方だけを鍛えればよいわけではありません
●腸腰筋は脚を前へ運ぶだけでなく、人間では立位や歩行時の骨盤・股関節・腰部の安定にも関わります
●姿勢を考えるときは、筋力だけでなく呼吸・背骨・股関節・日常の身体の使い方まで一緒に見ることが大切です
姿勢は、ずっと力を入れて「良い形」を作り続けるものではありません。
必要なときに必要な筋肉が働き、身体を無理なく支えられる状態を目指していきましょう。
東海道線・小田急線・江ノ島電鉄線 藤沢駅南口より徒歩3分
| TEL | 0466-53-8667 |
| 受付時間 | 10:00~20:00(平日) 10:00~16:00(土日祝) |
| 定休日 | 毎週火曜日 |
| お問い合わせ | contact@fujisawaseitai.com |
| https://www.facebook.com/fujisawaseitai | |
| 口コミサイト | http://www.ekiten.jp/shop_6758763/ (神奈川県1位評価) |
どんな小さなことでもお気軽にご相談下さい。


